暇つぶしに観たい映画『Nerve/ナーヴ』:ネタバレ感想
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みなさん、こんにちは。
今日は、アメリカのスリラー映画『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(原題:Nerve)』のご紹介です。
では早速、あらすじ&ややネタバレありの感想をお届けしていきたいと思います。
Here we go!
■ ざっくり、あらすじ ■
原題:『Nerve』
脚本監督:ヘンリー・ジュースト、アリエル・シュルマン
製作国:アメリカ
公開:米=2016年7月、日=2017年1月6日
上映時間:96分
主人公は、ちょっと引っ込み思案な女子高生のヴィー(エマ・ロバーツ)。
彼女は親友のシドニー(エミリー・ミード)から、とあるオンラインゲームへの誘いを受けていた。その名も 『Nerve(ナーヴ)』。
『視聴者(watchers)』になるか、『挑戦者(players)』になるか、いずれかを選択して参加する“裏”オンラインゲームである。
まず、『視聴者』は『挑戦者』にチャレンジを与える。それを『挑戦者』が無事に遂行できれば、『視聴者』は彼らにお金を払うという仕組みだ。
シドニーはそのゲームでは有名な挑戦者。
チアリーダーの彼女はアメフトの試合でも、ポーズを決めるときにお尻をみせる“チャレンジ”を見事に遂行、お金をゲット。
そしてシドニーはヴィーに、このゲームは自分を変えるチャンスになると執拗に勧める。しまいには、ヴィーがあまりにも引っ込み思案だといい、ヴィーがアメフト部のJ・Pに想いを寄せていることを、なんと彼本人にバラしてしまう。
それもヴィーの目の前で。
結局、J・Pからタイプじゃないと一蹴され、お節介を焼いたシドニーへの復讐心に燃えたヴィーはついに、『Nerve』に挑戦者として参加することを決心する。
こうしてヴィーの、世界一危険なゲームが幕を開けたー。
最初のチャレンジは“知らない男と5秒間キス” というもの。ヴィーが相手に選んだのはイアン(デイヴ・フランコ)という男であったが、実は彼もまたゲームの挑戦者であった。
そして二人は何故かタッグを組むことになり・・・・
■ ネタバレ感想 ■
主人公ヴィーを演じるのは、大物女優ジュリア・ロバーツの姪っ子にあたるエマ・ロバーツ。個人的には、アメリカのコメディ映画『なんちゃって家族(原題:We’re the Millers)』での偽娘役の印象が強いです。
同じく主演のイアンを演じるのは、ジェームズ・フランコを兄に持つデイヴ・フランコ。最近では兄弟で主演を務めた映画、『ザ・ディザスター・アーティスト(原題:The Disaster Artist)が人気を博しました。
と、ややキャストに惹かれて鑑賞したわけですが・・・・
内容自体は、そんなに目新しさを感じず。
裏サイトが題材というので、既視感が・・・
とはいえ、やっぱり時代の流れで裏サイトも変遷を遂げているわけで(←知ってる風)、本作のそれは今の時代にぴったりで非常にリアルでした。こういう裏サイト本当にあるんじゃ・・・?という感じですね。
リアルといえば、もう一つ。
本編では、SNSをはじめネット社会の風刺をしていることは明らかなので、やはりそういった媒体を利用する人たちの描き方もリアルで良かったです。
たとえば、ヴィーの親友シドニー。
彼女なんかまさに、現代っ子(年齢問わず)の姿を体現してるんじゃないでしょうか。Nerveで有名になっちゃったもんだから、鼻も高々。元から綺麗に高いお鼻が、さらにびゅーんと。
自分でヴィーをNerveに誘っておきながら、Nerveでヴィーがイアンとタッグしたことで、二人の人気が急上昇したとたん態度を一変。嫉妬でムキーッ!となってしまう。
ついに本性を露にした○ッチなシドニーに、さすがに今まで大人しくしていたヴィーも対抗。このバトルを見て、あ〜『人間の自己承認欲求』ってやっかいだわ、とため息。
SNSや動画サイトで、いとも簡単に承認欲求を満たせるようになった世の中。使い方次第では邦題どおり、“ 世界一危険なゲーム ” にもなりうる。これは事実ですね。
つい、日本で騒動をおこした米YouTuberのローガン・ポールを想い出しました。他には、ルーフトッパーとしてのチャレンジに失敗し亡くなってしまった中国人男性(懸賞金がかかっていたそう)、その他にもインスタ映えを求めた結果命を落としてしまった人たち等々。
『視聴者』が求めるものを『挑戦者』として実行し大金や人気を得る。見るものあって挑戦が生まれる=踊る阿呆に見る阿呆という構図ができあがっている社会。そんなネット社会に生きる私ももれなく、“ゲーム” に参加者として組み込まれている時があるのでしょう。
そういう意味でもラストの場面で、参加者を「共犯者」よばわりしてゲームを強制終了させたのは、とっても賢い対処法だったと思います。これもトミー(マイルズ・ハイザー)&愉快な仲間達のおかげなんですけど、もう彼らの頭の良さは異次元でした。
異次元つながりでいえば、設定。登場人物はまだ高校生ですってばよ。パーティーで派手に騒ぎ、タトゥーまで入れちゃって・・・あれで高校生か・・・。イアンとヴィーはダウンタウンをバイクでかっこよく疾走。
私なんて、田んぼ道を自転車で疾走だったのに。しかも上下ジャージ姿で。
一般的にアメリカの若者は大人びてると思いますが、「この子らいくつだっけ? 」と途中から設定に無理を感じてしまいました。
いや私が現実を知らないだけで、アメリカではあれがリアルなのでしょうか。おねがい、Noと言って。それにしても、このシーンはきゅんとしましたね。
あとラストでは、米ラッパーのマシン・ガン・ケリーが重要な役を担っていましたね。決戦の会場は、どこかコロセウムを彷彿とさせるものがあり、ちょっと緊張感漂う展開でドキドキしました。なんだかんだで全編、ドキドキしっぱなしでした。
ちょっと前後してしまって申し訳ないのですが、ヴィーがNerveに参加してまもなく、高級ブランド店で緑のドレスを試着するというミッションを遂行するシーンがあります。
ヴィーが男性店員にお目当てのドレスの写真をみせて、ドレスはどこですか?と尋ねます。すると店員が、「It’s very expensive.(それはとても高いですよ )」と、ヴィーを見下したひとことを放ちます。
実はこれ、叔母のジュリア・ロバーツ主演の有名な映画『プリティ・ウーマン(原題:Pretty Woman)』の一コマにもあるんです。へ〜へ〜へ〜ヘ〜
(参照:動画 1:08)
とにもかくにも、『視聴者』『挑戦者』の選択も、すべてはアナタ次第。上手くいけば何にだってなれる時代だと思いますが、挑戦者として視聴者から人気を得て有名になるのも、楽じゃないな〜と。相当な覚悟ある者でなければ、生き残れない世界ですものね。
何をするにも責任は伴うってことですね。
今こうして感想を書きながら、自己コントロールの大切さを噛み締めております。私も、エゴにまみれない生き方を求めていこうと心に誓ったのでした・・・・(急に深まるテーマ)。
まとめとしましては、
・基本、チアリーダーは○ッチ(性悪)に描かれる節がある
・アメリカの若者は基本的に早熟である
・承認欲求と女のバトル=厄介以外の何ものでもない
・主人公の二人の初々しさが非常に良く、青春ものとしても楽しめる
・エマ・ロバーツ&デイヴ・フランコはお似合いだと思う
・本作は、全編疾走感に溢れているため飽きもこず暇つぶしに最適
と、前述してないことまでどさくさに紛れて書いてしまいましたが、そういうことです。
総合的にみても、可もなく不可もなく十分楽しめる作品だと思います。残念ながら私にとっては「また観よう!」と思える作品ではありませんでしたが、いつか忘れたころにまた見ている可能性はある・・・
そんな作品です。←雑
では、また!
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