アメリカ人の夫のカードが不正利用された話《対処と予防》
みなさん、こんにちは。
今日は、アメリカ人の主人のカードが不正利用された時のお話を。
おきたてホヤホヤ〜の旬な話です。←響きだけでも和みたい
現金社会の日本と違って、どんな小額でもカードで支払う人が圧倒的に多いのがアメリカ。加えて、オンラインショッピングが非常に盛んなお国柄。
当然そこに漬け込んでくる悪い輩はいるわけで・・・
アメリカでは毎年何百万人もの人が詐欺に遭っているといわれています。
主人も今回がはじめての被害ではなく、過去にも数回トラブルに巻き込まれています。
本人にとってはかなりストレスになる出来事ではありますが、アメリカでカードを使う以上、いつ自分の身に降り掛かってくるとも分からないので、みなさんの問題解決にも役立ててもらえると嬉しいです。
< もくじ >
・主人の体験談 -Identity Theft-
・具体的な対処法
・未然に防ぐことってできるの?
・おわりに
■ 主人の体験談 -Identity Theft- ■
ある早朝、仕事先の主人からテキストが入ります。
「ねぇ、〇〇〇〇っていう所で何か買った?昨日と一昨日に3件のデビットカードでの購入履歴(合計で$150ほど)があるんだけど、俺は全く身に覚えがないし。なんか怪しいな〜と思って。」
主人がこう訊いてきたのは、私たちはジョイントアカウント(共同口座)を開設しており、それぞれの個人名義のカードを自由に使える仕組みになっているからです。
ちなみに年内にグリーンカード(永住権)の10年更新があるので、そのための婚姻証明材料のひとつとして、ジョイントアカウントを開設した次第です。
とはいえ、私も全く身に覚えがありません。
まずカード決済が行われた会社名を調べてみることに・・・・
どうやら、他人の犯罪履歴や住所といった個人情報を探し当てるサービスを提供する会社のようでした。
いやいやいやいや!
そんな人様の情報を買って見るなんてことするわけないじゃないですか。ストーカーでも会社役員でもあるまいし。
「120%私じゃないよ。これは誰かに情報盗られたね。」
これに対し、主人。
「ランチタイムに〇〇〇〇(例の情報サービス会社)に直接電話してみたら、向こうが利用履歴の詳細をリサーチしてくれて。やっぱり俺のカードが不正利用されてたわ。それで一人一人リサーチ対象者の名前を挙げられて、もちろん誰の名前も身に覚えがないことを伝えたら、“24時間以内に全額返金対応します” だって。」
お〜対応が早い。
そしていつも、私のリサーチは後手に回るのであった・・・
やっぱり3件とも不正請求(Unauthorized Charges)でした。
主人が仕事を終えて帰宅してから、念のため一緒に銀行に足を運びました。窓口のお姉さんに事情を説明すると、コールセンターへの電話1本で対応できますのでこちらへどうぞ、と。
そうなのです、やはり銀行に来る必要はなかったのです。
そりゃそうか・・・・主人もどうせ外に出る用があったからってことだったそうですが、みなさん、電話で大丈夫です。電話がすぐ繋がり、スムーズだったのは良かったですが。
結果的に主人のカードをキャンセル(無効化)し、新しいカードを発行してもらうことにしました。その電話を切った瞬間からカードが使えなくなってしまうのは悩ましいですが、ジョイントアカウントの私名義のカードには支障はありません。
カードは7~10日ほどで届くそうです。
と簡単にいいますが、かなり不便でございます。
ちなみに今回は銀行発行のデビット(&クレジットのコンボ)カードでしたが、その他にもパスポート、アメリカだとSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)といった重要な個人情報の窃盗もあります。
これを『Identity Theft(個人情報の窃盗)』と呼びます(広い意味では、“なりすまし”もこの類に含まれると思われます)。
では次の項で、カードを不正利用された場合の対処法をみていきましょう。
■ 具体的な対処法 ■
まず、カードの不正利用にも2つのタイプに分けられます。
①非対面取引:オンラインでの決済や電話やメールでの注文など、直接カードを提示しないCNP(Card Not Present)と呼ばれる取引のこと。非対面であることを利用し、たとえばPhishing(フィッシング)などで盗み出したカード情報(あるいはカードそのもの)で商品を不正に購入する。
②対面取引:リアル加盟店で直接カードを提示して購入すること。不正利用のためにSkimming(スキミング)によってカードを偽造したり、あるいはカードそのものを窃盗するケースがある。
今回ご紹介した体験談は、オンライン決済でしたので、①非対面取引(CNP)のほうでした。しかし実際、犯人がどのようにカード情報を盗み出したかその手口は定かではありません。スキミングされたのかもしれないし、オンラインで買い物をしたサイトから情報を盗用されたのかもしれません。
カードはしっかりお財布の中にあるから安全、とはいかないわけですね。ICチップ搭載のカードでも太刀打ちできない。いずれにせよカードを不正利用された場合、基本的にはつぎのような対処が必要になるようです。
・カード会社にすぐ連絡を入れる:多くのカード会社では全額負担を保証しているのですぐに連絡を。カードを紛失・窃盗された場合はとくに、一刻も早く連絡すること。連絡を怠りカードを不正利用されてしまった場合でも、連邦制のもとさいあく$50までの負担で済むし、不正利用前に連絡すれば負担は免れるとのこと。不正に利用されたカードを解約し、新たなカードを発行してもらう。
・オンラインパスワードやPIN(暗証番号)を変更する:どこから詐欺師が情報を仕入れたか分からないため、念には念で考えられるルートのパスワードやPINを変更しておくのが賢明。
・クレジットレポート会社へ連絡する:クレジットレポート会社 / Credit Bureau(クレジット・ビューロー)とは、クレジットレポート(個人の過去のクレジットカードやローン支払い履歴をまとめたもの)を発行する会社のことで、アメリカでは3社のみ(Equifax、Transunion、Experian)。このいずれかに連絡を入れ、『Fraud Alert』と呼ばれる詐欺注意の申請をする。これによって申請者のクレジットレポートを必要とするローン・クレジット会社も、この注意書きをみたうえで「怪しい」と判断した場合、本人確認をする仕組みづくりができる。
※『Credit Freeze(クレジットレポート凍結)』という更に強力な手段もある(※有料&上記レポート会社すべてに要連絡)。しかしローンやカード発行以外にも、ケーブルTVなどあらゆるサービス利用のときにもクレジットレポートが必要になるため、凍結→解除→凍結など場面に応じてうまく利用する必要あり
・クレジットレポートを取り寄せる:クレジットレポート会社から、Fraud Alert申請と一緒に無料でレポートを取り寄せ、ほかにも不審な履歴がないか内容をチェック。
大方このステップでいけば良さそうですが、カード番号のみならず他にも重要な Identity Theft=個人情報の盗用 のおそれがある場合は、Federal Trade Commision(連邦取引委員会:消費者を保護する組織)に被害レポートを提出しましょう。
また、そのレポートのコピーや先に連絡をとった機関からの書類をまとめて、警察へ届出るといいでしょう。これによって、詐欺のトラッキング調査が行われるので、問題の深刻化を食い止めることができるとのこと。
それから私の主人のケースだと、先に不正取引が行われていた会社〇〇〇〇に連絡をいれましたが、カード発行元に連絡するのが得策でしょう。
■ 未然に防ぐことってできるの? ■
お金がきちんと戻ってくるにしても、色んなところへの連絡が必要になってくるので大事な時間も奪われる。かなり煩わしいし、できればトラブルに巻き込まれたくないですよね。
しかしこういった詐欺は、個人による犯行に限らず、個人情報の窃盗には巨大な国際的犯罪組織が絡んでいるとも言われています。しかもあの手この手と巧妙な手口を利用してくるので、100%の防止策はなく、いたちごっこと言えるかもしれません。
そんな中でもできることをコツコツと続けていくことで、詐欺被害に遭う確立を低くすることは可能だと思います。
たとえば、
・財布(バッグ)は肌身離さず窃盗に遭わない努力を怠らないこと
・クレジットカードは必要な時のみ持ち歩き、SSNは絶対に携帯しないこと
・スキミングは実店舗・ATM・ガソリンスタンドと場所も多岐に渡る。周囲に不審人物がいないか、スワイプの機械も見慣れないものなどには注意すること
・オンラインショッピングには、セキュリティの高い信頼できるサイトのみ利用すること。webアドレスがhttpsのように“s”がついているものは一つの安全の指標になるし、予め消費者レビューなどを確認しておくといい
・電話やメールなどで、むやみやたらにカード番号やSSNなどを他人に伝えないこと。個人情報提供をもとめるリンクが貼られているメールなどは、送信元が銀行などでも注意するように
・モニタリングを怠らないこと:定期的にカード履歴を確認&一年に一度はクレジットレポートを取り寄せる(※上述のとおり)
・クレジットレポートの凍結をうまく利用すること
上記のような策を講じても、100%詐欺から身を守ることは難しいです。でも、小さなことでも「自己管理」を怠らなければ、少しでもリスク回避はできるはず!
■ おわりに ■
以上、Identity Theftによるカード不正利用のお話でした。
いかがでしたでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、また。
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