米人気YouTuberローガン・ポール騒動から考える「人として大切なこと」
みなさん、こんにちは。
今日は、大人気YouTuberとして知られていた男がおこした「大大炎上騒動」についてのお話です。あまりにもショッキングな出来事だったので、いつも以上にアツく語らせてもらいます。
渦中の男の名は、ローガン・ポール(22)。
なんと、騒動の舞台は “お正月の日本” です。
本国アメリカで主に10代から絶大な支持を得ている彼は、ファンのことを“LOGANG(ローギャング)”と呼んでいます。
MAVERICK(マーヴェリック)という自身のアパレルブランドも立ち上げ、若干22才の若さで年収10億以上稼ぎ出していることでも有名です。
チャンネル登録者数はなんと1500万人超え・・・これは世界のYouTuberでもトップレベルです。ちなみに日本のトップYouTuberで600万人ほどなので、凄さがお分かりいただけるかと思います。
そんな多大な影響力をもつ彼が起こした大炎上について、「騒動内容・人々の反応・筆者が思うこと」をお伝えしたいと思います。
■ 炎上騒動の内容 ■
舞台となったのは、富士山の麓の樹海「青木ヶ原」。
いわゆる、自殺の名所と呼ばれるところですね。
ローガン・ポールとその友人らは、新企画のために日本を訪れていました。
そして、厳かな雰囲気に包まれる日本の年末に、わざわざカメラをもっって富士の樹海を散策。
散策開始からまもなく、彼らは首を吊って亡くなっている方の遺体を発見します。すぐに警察を呼ぶようポールは促すものの、ばっちり遺体をカメラにおさめて大晦日にYouTubeで公開。しかもモザイクは顔のみに施され、超至近距離で遺体に語りかけながら撮影。
公開や否や、非難の集中砲火を浴びることに。
翌1日には謝罪、問題の動画も現在では削除されています。
ツイッターでの謝罪の際、「自殺防止の意識を高めようとした 」などと釈明したものの・・・それも火に油をそそぐ行為となり、騒動は広がりをみせています。
■ 人々の反応 ■
ここではまず、私情は語らず、客観的に人々の反応を載せていきますね。
《 日本国内 》
日本でも年始からTVやネットでニュースになっていますね。ここアメリカほど大きく取り沙汰されていないという声も耳にしましたが、批判の内容が多いことは目にみて明らかです。
YouTubeのコメントやSNSでも「遺族の方の気持ちを思うと辛い 」「不謹慎だ 」「もう日本にくるな (入国禁止にしろ)」「人間性を疑う 」「日本で馬鹿騒ぎする外国人が減ってほしい 」「腹が立って仕方がない 」といった怒り・悲しみの内容が目立ちました。
日本人のみならず、外国人として日本に住んでいる方からの憤りのコメントも目にしました。日本人YouTuberの中には、「自分のこれまでの人生の中で一番腹が立っている 」と怒りを顕にしている方も。
その一方で、「日本も昔TVでこういう企画あったけど、あれはいいのか?」という疑問の声なんかもみられました。
《 海外(アメリカ) 》
登録者数5900万人超えという、世界トップのスウェーデン人YouTuber 、PewDiePie も彼を猛烈非難。自身のチャンネルでアップした動画で、「遺体をカメラにおさめるなんて不適切かつ冒涜行為だ 」と発言しています。
他にも数多くの有名人たちが、SNSなどで批判。
人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のサンサ役として知られる、英女優ソフィー・ターナーも怒り浸透のご様子。
@LoganPaul You’re an idiot. You’re not raising awareness. You’re mocking. I can’t believe how self-praising your “apology” is. You don’t deserve the success (views) you have. I pray to God you never have to experience anything like that man did.
— Sophie Turner (@SophieT) 2018年1月2日
ポールの「自殺防止の意識を高めたかった 」という“謝罪”コメントをうけ、「あなたはただ馬鹿にしているだけ 」と、そんな彼こそが“馬鹿だ”とはっきり主張。彼は成功に値しない人物としています。
こういったポール本人へのコメント以外に、YouTubeに対する批判の声もちらほら見かけます。以下のツイートは、映画『トロールズ』でマンディの声を担当したカンディー・ジョンソンのものです。
Dear @youtube, after the Logan Paul video where he shows a dead body of a suicide victim, uses that for the title, makes heartless jokes next to the body, there needs to b age restrictions for certain creators. How is this allowed on YT? His followers are children! Horrifying
— Kandee Johnson (@kandeejohnson) 2018年1月2日
「彼のフォロワーは子供たちなのだから、ある一定の動画作成者たちのチャンネルには年齢制限を設けるべきだ 」と、YouTube側が問題動画のアップを許可した事実を指摘しコメント。
《 ローガン・ポールのファンたちの反応 》
①彼を擁護するファン
熱狂的な10代(下手したらもっと下の年齢層)の子供が、YouTubeで彼を擁護しているのが目立ちます。一番多く聞いたのは、「彼は何も悪いことをしていない 」でしょうか。あとは「彼はミスを犯したかもしれないけど、いい加減許してあげて」と訴える子も多いです。
10代半ば?のある男の子がYouTubeにアップした動画の中で語り、注目を集めていたコメントがこちら。
「自殺した人は、ローガン・ポールの動画に出演させてもらえてラッキーだ。俺も彼の動画に出演できるならなんだってするよ。なぜなら世界中から認知されて有名になれるからな 」
②彼のファンを辞めた元ファン
一方で、ある一定層の子供たちからは「もう金輪際、“ローギャング”なんて呼ばれたくないね 」という声も聞かれました。「問題動画と謝罪動画から得た広告収入を、自殺防止に役立てるために寄付してください」とポールに語りかける子も。
③トラウマを抱えてしまった子供
いつも通りのおちゃらけた映像だと思って視聴した子供たちの中には、突然のショッキングな映像にトラウマを抱えた子もいるようです。「ローガン・ポールは僕の人生を台無しにした。毎晩悪夢にうなされている」と憤慨する子もいました。
下の動画は、問題映像をみてしまった11才の男の子がショックのあまり泣いている様子を、彼の母親がカメラにおさめてたものです。
動画1:30あたりで母親が「なんで泣いてるの?」と少年にたずねると、少年は涙ながらに語り出します。
「だって自殺した人のことを考えたら・・・自殺理由は誰にも分からないけど、世界には自殺する人がいっぱいいるのを僕は知っている。彼らはつらい人生を送っていて、ただもう自殺したいって気持ちになるんだよ。そんな人たちの気持ちを思うと涙が出てくる・・・」
■ 筆者が思うこと ■
・過激さがウリになるこの世の中
私も元々ローガン・ポールの存在を知っていました。
彼の動画はよくトレンドに上がっていたし、ちょっとだけ動画も見たことがあります。正直、その頃から彼へのイメージは良くなかったです。ちょっとしか見ていないのに。
そして今回の騒動を機に、彼が日本で撮影した動画にも目を通してみたんですね。それがまた酷いもので・・・
・購入したゲームボーイを店の前で破壊
・ポケモンの着ぐるみ姿で道行くひとを妨害
・ポケモンボールを店員に投げつける
・道路のど真ん中でズボンを脱ぐ
・魚とタコを持ったまま衣料店に入り商品をベタベタ触る
・タコを一般タクシーのトランクの上に放棄
・荷台に勝手に乗って運転手のおじちゃんを驚かす
・お寺で騒ぎ無礼な態度をとり警備員に止められる
挙げたらキリがないので、この位に。
もう呆れてものもいえません。これで22才とは・・・
日本で(まぁ海外でもやってますが)上記のような迷惑行為を平然とやってのけた彼ですから、そもそも羞恥心・道徳心・礼儀・敬意なんてものは欠如しています。こんな事はあまり言いたくないのですが、はっきり言って「親の顔を見てみたい」とすら思ったほど。
問題動画だって普段の動画の延長線にあるのは明らかで、取り繕ったところで後の祭りですよね。ですから、今回の炎上で世界中から彼が非難を浴びるのは自業自得&釈明の余地はない、ということを大前提に話を進めたいと思います。
こうやって「過激さ」を一番のウリにして若年層のファンたちを獲得してきたローガン・ポール。しかしこれも裏を返せば、過激で馬鹿げたことがもてはやされる社会の風潮があるということ。というか、YouTubeやSNSを見るために携帯にかじり付く人々が増える中で、ローガン・ポールのような突拍子もない事をする一般人も注目を集めやすくなったのでしょう。
今のネット社会で子供たちは、いとも簡単に過激な情報に触れることができます。小学生でも携帯いじってる時代ですから・・・そして近くで導いてくれる大人がいなければ人生の経験値の少ない子供たちは、いとも簡単に外の世界から悪影響をうけてしまう。
この点から、“10代のインフルエンサー”として崇められていたローガン・ポールは、良く悪くも自分の影響力の大きさにもっと真摯に向き合うべきでした。
皆さんもかつて子供だったので分かると思います。子供の頃って、とてつもない悪ガキが必ずいましたよね?自分がそうだった!って方も中にはいるかもしれません。悪さをすることで自分を大きくみせたりね・・・
そんな悪ガキたちも、大抵は成長するにつれて善悪や倫理観といった「人として大切なこと」を学んでいくもの。私自身大人になって、むかし悪ガキ&いじめっ子だったクラスメイトに再会したとき、あまりの変貌ぶりに腰を抜かした経験があります。彼らも、すっかり角がとれて丸くなっていたんですね。
だからこそ、アグレッシブなLOGANG(彼の熱狂的ファン)たちにも、これを機に学んでほしいなって思います。中身が幼稚な大人の不良をフォローしつづけ、他人を侮辱するような発言をネットにアップするまえに。
かくいう私も問題の動画をたまたま見てしまった一人ですが、遺体が映し出された瞬間、あまりのショックで涙が止まりませんでした。先に紹介した、11才の少年と同じ気持ちからです。
「自殺防止の意識向上のため」「視聴数稼ぎではない」という彼の主張からも伝わってくるものが皆無。これに加えて、ローガン・ポール信者の10代がみせた擁護も度を超えたアグレッシブなものが多く、危険性すら感じました。
そのことが分かるReina Scullyさんの次の投稿をご覧下さい。彼女はアメリカで育った日本人として、今回の騒動についてYouTubeで意見を述べました。
I want you to see this. pic.twitter.com/Rzpw2NmOIQ
— Reina Scully (@ReinaScully) 2018年1月3日
すると、彼の信者から猛烈批判をうけることに。彼女に対する人種差別的発言がおおく目立ち、私も気分を害したひとりです。何でそこで人種差別がでてくるんだろう、と。コメントの一部にある「Chin Chang Chung」とはアジア圏の言語の響きをバカにした言い方です。こんなことを平然と言えてしまう子供たちがいることに、ものすごい危機感を感じます。
・責任のゆくえ
くりかえしますが、彼が非難を浴びる&責任をとるのは当たり前の前提として、その他にもコンテンツ・年齢規制を怠ったYouTube、さらには子供たちの親にも責任が及ぶべきだと思います。
先に紹介したファンたちがローガン・ポールを崇める理由には、「イケメンで人がしていないことをしていて、巨万の富と知名度を築いていてかっこいい!」なんかが挙げられると思います。イケメンかは知りませんが、米国でのネットではそのような世間のイメージも紹介されていました。
それにしても、なんて物質的な・・・・
お金はなくてはならない大切なものだけど、それが全てなわけがありません。ファンの子供たちは彼を神格化してしまい、それが人として忘れてはいけない倫理観を身につける妨げになっている印象を受けました。子供たちが逸れた方向に行くまえに、大人たちが必要に応じて導いてあげたいところです。
幼いうちからネットの制限が外れた環境下ですごすのは、いいと思えません。その点では、わたしが小さいころはネットなんてなかったので、親・社会も今より心配の種はすくなかったのかもしれませんね。もちろん、ネットの普及でかつてない便利さを享受しているのは有り難いですが。
また、今回の騒動を「自分の言動を振り返る機会」にすべきと考えます。ヘイトスピーチに走ってしまう前に、自分を顧みることが何より大切だと思います。物事を自分にも当てはめて考えることで、他への想像力も養われ、より良い社会になっていくのではないでしょうか。綺麗事でもなく、結局なんでも自分を顧みることは一番大切なことだと思うんです。
日本のYouTuberでも公の場で迷惑行為を平然とやってのけるのも目にしますし、それにイイネ!を押す人も多い。ローガン・ポールの動画も削除されるまでに、何百万というイイネ!を獲得したそうです。
踊る阿呆に見る阿呆・・・?
ということは、これはローガン・ポール一人の問題ではありませんよね。もう社会全体の問題として捉えるべきです。つまりそんな社会に生きるわたしたち個人の問題でもある。それゆえに、自分の「心のあり方」についても考えたいものです。
さいごに。
ローガン・ポールは自身の動画の中で、「日本人は最高だ。みんな僕らのすることを笑って受け入れてくれるから。」という内容のコメントを残していました。視点が盛大にズレてますが、だからこそ今回の騒動も起こるべくして起こったんだなぁ〜と。
日本人の寛容さや「事なかれ」と気にしないようにする気質、これに漬け込んでくれるな!と思うのと同時に、私たちもハッキリと主張すべき事をおそれないこと。もちろん、外国の方みながローガン・ポールと同じではないこと、これも心に留めておきましょうね。これは人種の問題ではありません。人間としての問題です。
ということで、何だかまとまりのない文章になってしまいましたが、みなさんにも少し考えるきっかけになればと思います。
最後でお付き合いいただき、どうも有難うございました。
では!
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