超傑作コメディ映画『ザ・ディザスター・アーティスト』感想/日本公開はよ!
©IMDb
みなさん、こんにちは。
前回は史上最低映画『ザ・ルーム 』について、アツく語りました。
今回は、その映画『ザ・ルーム 』の製作舞台裏を描いた『ザ・ディザスター・アーティスト(原題:The Disaster Artist)』という実話に基づいた作品をご紹介します。「大失敗の芸術家」という意味のタイトルです(駄作をつくるのがうまいという意味)。
2017年12月1日、アメリカの19の映画館のみでの限定公開にも関わらず、興行収入で快挙となる記録をうちだした超ヒット作です。実際、IMDb 8/10、Rotten Tomatoes 92% とかなりの高評価を得ています。
特筆すべきは、製作・監督・主演すべてをジェームズ・フランコが務めていること。そう、いつものメンツをキャストに迎えて。
そしてジェームズ・フランコが、第75回ゴールデン・グローブ賞のコメディ/ミュージカル部門にて、男優賞を受賞しました〜!お見事!
これが面白くないわけがないでしょう、と。
早速、本作の内容に迫ってみましょう♪
■ ざっくり、あらすじ ■
製作国:アメリカ
ジャンル:伝記コメディ
公開日:2017年12月1日
上映時間:98分
配給:A24
脚本:スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
原作:グレッグ・セステロ、トム・ビッセル
出演:ジェイムズ・フランコ、デイヴ・フランコ、セス・ローゲン
日本公開:未定
舞台は1998年のサンフランシスコ。
野心家の俳優グレッグ・セステロは、演劇のクラスでトミー・ワイゾーという謎の男と出逢う。
人目を気にする癖のあるグレッグは、演技においても殻を破れずにいる。一方、トミーは何にも物怖じのしない不思議な男だった。
そんなトミーに言い様のない魅力を感じたグレッグは、思い切ってトミーに話しかける。
いつしか深まっていく二人の友情。
そしてハリウッドでの成功を夢見る男二人は、共にL.Aへ引越すことになるのだが・・・・
■ 感想(ネタバレなし) ■
もうこの映画、超傑作としかいいようがありません。
史上最低映画の呼び声たかい『ザ・ルーム 』への愛が随所に散りばめられています。
本作の製作・監督・主演をつとめたジェームズ・フランコはもちろんのこと、共演者たちも『ザ・ルーム 』という映画が大好きなんだな〜っていうのがバンバン伝わってきます。なにより、トミー・ワイゾーへの愛、尊敬の念をもっとも感じますが。
映画冒頭では、著名人が『ザ・ルーム 』への愛を語っているシーンも流れるほど。誰が登場するのかは伏せておきますが、私も好きな人ばかりだったので、初っぱなからテンションあがりました。カメオ出演もみどころの一つですね。
この映画の原作となっているのが、グレッグ・セステロとトム・ビッセル著の『The Disaster Artist 』という書籍です。著書を読んだジェームズ・フランコが、いたくワイゾーに共感し映画化が実現しました(内容は微妙に違うようです)。
フランコ曰く、ワイゾーの顔と“The Room”とだけ書かれた『ザ・ルーム』の映画広告宣伝をはじめて目にしたとき、まさかそれが映画のサインだとは思わなかったそうです。
しかしその後、原作本を手にしワイゾーに惚れ込み、映画制作を決意。それからは『ザ・ルーム 』を何度も何度もくりかえし観たそうです。
そしてその情熱が目にみえる形でフランコの演技に反映されています。
グレッグ・セステロ役を演じたジェームズ・フランコの実弟デイヴ・フランコも、他のキャストもすばらしい演技でした。
が・・・!
ワイゾーを演じたジェームズ・フランコの演技は、
神憑っていました。
もう、『ザ・ルーム 』のワイゾー本人にしか見えないほどに。
見るからにワイゾーより身体も大きめなのに、見た目そっくり。ウェットですこしウェーブのかかった黒い長髪、左右の大きさが違うあの焦点の合っていないような虚ろな目、血色のない顔、鍛えた身体、こけた頬、笑い顔の細部にいたるまで、すべてが酷似しているんです。
あと、ワイゾーが持つ独特の英語アクセントや喋り方、トレードマークの「はははは 」という棒読みな笑い方もそっくり。さらには運動音痴なラグビーボールの投げ方までも、こわいくらいそっくりです。
いや〜あれは完全憑依でしょうねぇ・・・
どこか故ヒース・レジャーを彷彿とさせるような。
ジェームズ・フランコも役にハマり過ぎて、私生活でもあのままだったそう。しまいには本来の自分の声・喋り方を忘れてしまったとか。
これも偏にワイゾーへの「愛」なんでしょうね。
そんな恐るべし役者魂を見せつけたジェームズ・フランコですが、ワイゾー本人は当初、「俺の役がつとまるのはジョニー・デップだけだ 」などど言って認めていなかったそうですね。でもその後認めた背景には、フランコがかつてジェームズ・ディーンを演じたことがあるからだろうと。ワイゾーはジェームズ・ディーンの大ファンですから。
ジェームズ・フランコの迫真の名演技に、劇場でみている他の観客たちも驚き、終始ガヤガヤ。周りの笑い声が絶えなかったのが印象的でした。勿論、私もおもいきり笑って弾けてきましたよ。
やっぱり、ジェームズ・フランコ最高っす!ますます惚れたっす! ←急なキャラ変
普通にしてたらイケメンの一流俳優であろうに、いつメン♡ブラザーズたちと何ともぶっ飛んだ、楽しい映画作ってしまうところが素敵です。やっぱり、セス・ローゲンがいなくっちゃ始まりませんしね。ちなみに、いつメン製作の映画『ザ・インタビュー』の金正恩役:ランドール・パークもちょっとだけど出演していますよ。
演技力もさることながら、舞台セットも非常によく再現されているのも見所。かの有名なシーンの数々も、かなり忠実に再現されています。
たとえば、
・映画冒頭:ジョニー、リサ、デニーのやりとり
・屋上での名台詞「Oh. Hi,Mark! 」
・花屋での一コマ
・フットボールでの戯れ
・映画後半:ジェームズ・ディーン主演映画『理由なき反抗 』からの名台詞
等々、どれも思わず吹き出してしまうような出来映えになっています。いずれも肝となる名シーンなので、トレイラーでもちょろっと紹介されていますね。
あ、あと映画のエンド・クレジットのあとにトミー・ワイゾー本人も登場しますよ!謎のパーティー客役として。これはジェームズ・フランコが映画制作をする条件として、ワイゾーが映画への出演を要求したからです。こうして劇中には登場しなかたったものの、ちゃっかり最後に登場しているので現在のワイゾーの姿も要チェックです。
もちろん、本作は『ザ・ルーム 』を観たことのない方でも十分楽しめる映画になっていると思います。でも、元ネタを知っていたらもっともっと楽しめるのは確かです。
というのも、細部にわたるまで「愛」をめいっぱい詰め込んだ、非常に丁寧に作られた作品ですからね。本作でより笑うためのポイントを拾い集める意味でも、ぜひとも『ザ・ルーム 』も鑑賞なさってください。もしかしたら、この時点で好き嫌いが分かれるかもしれませんしね。なんてったって、カルト映画ですから。
とにもかくにも、個人的には大大大ヒットの作品です。
ので、ゴリ推しさせて頂きます。
原作本はまだ読んでいないので、これからボチボチ読もうと思います。
■ おわりに ■
いかがでしたか?
残念ながら日本公開は現在未定ですが、ぜひとも公開になったら観て頂きたいおすすめ作品です。
『ザ・ルーム 』については、こちらの記事で思うがままに語っているのでご参考までに。
それでは、さようなら〜。
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