オカルト映画『ザ・クラフト』/ネタバレ感想&あらすじ
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ごきげんよう、Leecaです。
今回は、米オカルト・ホラー映画、『ザ・クラフト(原題:The Craft)』のあらすじ&感想(ネタバレあり)をお届けします。
1996年5月3日にアメリカで公開当初、予想を大幅に上回るヒットをみせた映画です。時代とともにコアなファンを獲得し続け、続編(※リメイクではない)も待たれている状況です。
続編の情報も気になるところですが、今回は1作目について想いのまま語ってみたいと思います。
■ 簡単なあらすじ ■
主人公は、不思議な力をもつ女子高生のサラ。
実母は他界しており、父親と継母とともにサンフランシスコからロサンゼルスへ引っ越してきたばかり。
サラは転校先の高校で、“witches(魔女)”と噂される3人組;ナンシー、ボニー、ロシェルと出逢う。噂の通り、彼女たちが黒魔術に傾倒していることを知ったサラ。時を同じくして、サラは学校の人気者、クリスに心惹かれていく。
ある日“魔女”3人組は、サラの不思議な力を目の当たりにし仲間に取り込もうとするが、軽くかわされてしまう。
しかしその後、気のあったクリスに見事裏切られてしまったサラ。
怒ったサラは、魔術を以て復讐しようと魔女3人組の仲間になる決心をする。
こうして不思議な力を持つサラが加わったことで、彼女たちはより一層魔術にのめりこんでいき・・・。
やがて、様々なバトルが繰り広げらていく。
果たして彼女たちは、魔術を手中におさめることができるのか・・・?
■ 感想(ネタバレ) ■
まず、一応ホラーにカテゴライズされてますが、内容的にはまったく怖くありません。ヘビやらムカデやらが苦手な方には怖いのかなぁ〜?ってシーンもありますが、別に平気ならなんのそのです。結構リアルですけどね。
90年代は『アメリカン・パイ 』『クルーレス 』、ホラーでも『スクリーム 』なんかのティーンムービー量産時代だけあって、やっぱり主人公は女子高生。
またありがちな!と思ったら。
2004年アメリカ青春映画『ミーンガールズ』に出てくるような、イケイケなブロンド女子高生♡が主人公ではない。むしろ違う意味で学校で浮きまくりな、ダークサイド女子高生が主人公なんですよね。
そんなんばっかりに惹かれてしまう自分の心にもまた暗闇を感じつつ、でもやっぱりオカルトって聞くと「なんか面白そう 」って反応してしまいます。
まぁこの広い世界、そりゃ〜開けてはいけない扉があるんだろうな〜って思っている私。とはいえ、黒魔術なんぞ怖くて実践なんてできないし、したいとは思わないですが・・・。
だからこそ、主人公たちが黒魔術やらにハマっていく様をみて、なぜかヒヤヒヤしてしまいました。展開が読めるからストーリーを先回りして、「そんなんしたら後が怖いで〜(なぜか関西弁)」と小言をブツブツ。
「人を呪わば穴二つ」
まさにそんなメッセージをばんばん送ってくる映画。劇中では、3倍になって返ってくるとありますね(Rule of Three)。
本当にやめといたらいいのにと思いつつ、主人公たちの葛藤もよーく分かる。
だって全員が全員、思春期には辛い劣等感をかかえていらっしゃる。
リーダー格のナンシーは、暴力的な継父に嫌気がさしていて、ボーは背中にあるやけどの跡を醜いと嘆いている。ロシェルはローラのいじめにひどく傷ついているし、サラもまた、過去に自殺を図ったことに加え、クリスの裏切りに自分は弱い存在だと信じてしまっている。
そんなコンプレックスの塊の女子たちは、どうにかして辛い状況から抜け出したかったんだな〜って。そういう所は共感できる映画です。
時としてちょっと間違った方向へ走っちゃうこともあるよね、っていう。
だからこそ4人が集まって、きゃっきゃっしているのは微笑ましいというか、可愛らしかったです。このシーンとか。
ちなみに・・・
私の主人が子供の頃、興味本位からおじさんの家でこのゲームをしたそうで。主人が寝そべって浮かされる役を担当。
弟といとこが3人のように何か唱えはじめると、本当に身体が浮いたらしく・・・ロシェルみたく床から何十センチも離れはしなかったものの、主人曰く「身体が浮いているのが感覚でわかった 」とのこと。しかも弟やいとこも、自分の指から主人の身体が離れる瞬間をみた・・・・と口を揃えて言ったそうな。震えたと証言してました。
コックリさんとか、そういうの流行りましたもんね小学校とかで。私は怖くてやらなかったけど、こういうのって世界共通なんですね。
話をもどします。
最終的にかつての仲間サラを、3人がかりで魔術で封じ込めようとするのにはイラっとしました。嘘でもサラのお父さん死なせるとか人としてどうなん?(←全力で感情移入)
そして決戦後日。
ボーとロシェルがサラに謝りにいった場面で、ちらっと現れるサラのお父さん。良かった〜生きていた〜!と安堵しつつ、二人の気まずそうな「こんにちは〜」にはツボりました。
エンディングでは、ナンシーは精神病送り。
一方、ボーとロシェルも魔力を失い・・・反省すると思いきや性格は悪くなったまま。サラだけ魔力が増しましたが、優しかった面影もなく、冷たい表情をみせ終了ー。
結局みんなバ〜ラバ〜ラという後味の悪いエンディングでした。まぁ、サラだけでも教訓を得たのが救いでしょうか。
あと映画冒頭ででてくる謎のヘビ男、要る?
オカルトショップの女性も、期待していたのに結局お役目なしだし。
伏線にもなってなくて、狐につままれたような気分になりました。
でもね、ここまで言っておきながらも本当好きなんですよ、この映画。思い出したころにまた観たくなるという。もしや、映画に魔術かけられてるんでしょうか(中二病的発想)。
■ 素晴らしいキャスト ■
この映画の最大の魅力は、キャスティングにありと思っています。
まずは、ボニーを演じたネーブ・キャンベル(Neve Campbell)。彼女は、当映画と同じ年に公開となったホラー映画『スクリーム 』で主人公を演じ有名になったので(クリス役も)、知ってる方も多いでしょう。美人&かわいいの二刀流使い。“スクリーミング・クィーン”と呼ばれただけあり、ヤケド跡の治療の絶叫シーンは、本当に痛そうな演技がよかったです。
お次は、くるくるヘアーが可愛らしいロシェルを演じた、レイチェル・トゥルー(Rachel True)。彼女も非常にキュートですが、当時30歳だったんですよ!若すぎる見た目に衝撃を受けました(現在も若い)。いじめっ子ローラに「何でこんな事するの?」って聞く演技が、とてもリアルで切なくなりました。
それからサラ役を演じたロビン・タニー(Robin Tunney)。1995年『エンパイア・レコード』でスキンヘッド姿を披露したので、ザ・クラフトではウィッグ使用だそうで。吸い込まれそうな瞳と、素敵な低めの声の持ち主だと思います。
そんな中でも圧倒的存在感を放つのは、なんといってもこの方でしょう。
ナンシー役のフェアルザ・バルク(Fairuza Balk)。ディズニー映画『オズ 』のドロシー役で子役デビューした彼女ですが、個人的には『アメリカン・ヒストリーX 』のステイシー役が強烈に印象に残っています。
もう迫力満点の才能あふれる演技と、元々兼ね備えたみるからに取り憑かれていそうな(失礼)ルックス。彼女なしでは、この映画の魅力は半減だったでしょう。
まず、笑顔が怖いってどういうこと・・・
彼女は“本物の魔女だ”という噂が飛び交ったくらいですからね。実際オカルト・ショップを所有していたことから浮上した噂なんですが。
本人曰く、撮影にあたってアドバイスを受けにそこの店に行っていたと。するとそこの店主から、経営困難のため店を手放す予定だと聞かされた彼女は、ならば私が買うわ!となったそうで。
今は彼女も店を手放していますが、噂が勝手に一人歩きしてしまったようですね。
■ おわりに ■
以上、青春オカルトホラー(!?)映画『ザ・クラフト』の感想でした。
90’sファッションが可愛いので、そこにも注目の映画かもしれません♡
やたらと長文になってしまいましたが、最後まで読んで下さってありがとうございます。
続編にも期待!
それでは〜。