怖いサンタに最後はピエロも!? 映画『クランプス』ネタバレ感想&あらすじ
©IMDb
こんにちは、Leecaです。
早いものでついに12月突入しましたね。
前回はクリスマスおすすめ恋愛洋画5選をご紹介しました。
今回は、ダークなクリスマスの世界を描いた映画『KRAMPUS / クランプス 』の簡単なあらすじ&感想(ネタバレあり)をお届けします。
個人的には、クリスマス以外でもたま〜に観てしまう映画です。
■ まずはさくっと作品情報 ■
《予告 トレイラー》
2015年12月4日、米ユニバーサル・スタジオが公開したクリスマス・コメディ・ホラー映画(上映時間98分)です。
ヨーロッパ中部の伝承として語られる悪魔 “クランプス” をモチーフにしています。ちょっと日本は秋田県男鹿の“なまはげ”を想起させますね。
日本では未公開ですが、DVD&Blu-rayが発売になっています。尚、日本版は『クランプス 魔物の儀式 』というタイトルがつけられています。
監督・脚本はマイケル・ドハティ。
「X-MEN2 」「スーパーマン リターンズ 」の脚本を手がけた方。
公開初日から全米ボックスオフィス第一位を獲得し大ヒット。公開前に期待されていたよりも、はるかに上回る売り上げをマークしたそうです。
ここアメリカでは、この映画以前よりクランプスは知られていたものの、この映画のヒット以降より定着したキャラクターといえます。
事実、ハリウッドのユニバーサル・スタジオで催されるハロウィン・ホラー・ナイトの迷路の一つにもなった程、どんどん知名度を上げています。実は私もクランプスの迷路に昨年行ったのですが、「コメディ要素あるし大丈夫か!」とナメてかかったら、めちゃくちゃ怖くて半泣きでした。はい。
■ あらすじ ■
マックス(主人公)は父トム・エンゲル、母サラ、祖母オミ、そして10代半ばの姉ベスと5人で暮らしている。父方の祖母オミはいつもドイツ語しか話さない、物静かなおばあちゃん。
クリスマス2日前、マックスの家に今年も母サラの妹リンダ一家がやってきた(押し掛けてきた)。しかし、妹家族は口うるさく礼儀知らずのため、エンゲル家は彼らの訪問を憂鬱に感じていた。
そんな中、サンタを心から信じる純粋なマックスは、サンタへ祈りの手紙を書いてポケットに忍ばせていた。
しかし、それを見つけた意地悪な従姉妹たちにその手紙をみんなの前で読み上げられ、起こったマックスは手紙を破り窓から捨ててしまう。
「クリスマスなんてなくなればいいのに・・・」
そしてその夜、突然の大吹雪が街を襲い、街全体が停電に。
明くる朝も、吹雪と停電であたりは真っ暗。連絡も断ち切られ、家の中に閉じ込められる形になった両家。
マックスの姉ベスは恋人ベレクの様子が気になり、嵐の中果敢にも外出するも、なかなか帰ってこない。やがて心配した父トムと、リンダの旦那ハワードも様子をみに外へ出て行ってしまう。
その間、家でも不気味な現象が立て続けに起こり始め・・・・核心に迫る出来事が彼らを襲う。
そうしてついに、口数の少ない祖母オミが、秘密にしてきたある真実を語り始める。
■ 感想(途中からネタバレ) ■
コメディ・ホラー映画とジャンル分けされている通り、前半からコメディ色も感じられて、個人的にはなかなか好きな作品の部類に入ります。
グロくなくて大人も子供も一緒に観られる&海外のクリスマス文化も覗けて「あぁ、こういう映画ってありそうでなかったよな〜」と思わせてくれるホラー映画。リンダの着るアグリーセーター(トナカイやらペンギンやら)もダサくて可愛いです。
前半はホラー色もなく、意地悪な子供&大人たちを冷静にみつめ、場面が放つ雰囲気にどことなく懐かしさすら感じたわけですが。
後半に入ると、一気に騒々しさが増していくんですよね、悪魔のクランプスとあるモノたちによって。
観ていただけば分かるのですが、CGに頼りすぎていないのが大きな魅力。あとは分かりやすいストーリーラインも。
——–
ここからネタバレになってしまうのですが、前述のあるモノとはクランプスが従える数々のモンスター(精霊)たち。
そして登場する数々のモンスターたちが、可愛いような怖いような、なんとも絶妙な出で立ちなんですよね。
個人的に好きなモンスター第一位に輝いたのは、ビックリ箱から飛び出す「人間丸呑みピエロ」。
どことなく憎めない可愛さを醸し出しているのですが、こやつは人間を丸呑みしちゃうんですから本当に怖いですわ。ピエロ恐怖症でない私も、さすがにこの置物が家にあったらビビります。
次にお気に入りなのが、邪悪な天使人形(天使なのに邪悪とか)。
どうやら、ドイツorオーストリアに起源する魔女(もとは女神)のペルヒタ / Perchtaがモデルみたいですね。
お目目くりくりで可愛いけど、長〜い舌をのばし飛びかかってくるシーンはなかなかの迫力。言うても可愛いですが。
あとはクリスマス定番のクッキー、ジンジャーブレッド・マンは一見、くすくす笑って可愛いのに、狡猾で情け容赦ないという。
と、錚々たるメンバーに支えられクライマックスへ向かっていくのですが。
最後に残されたマックスがいよいよクランプスと対峙する、あのラスト。マックスが勇気を振り絞って、家族を返してくれとお願いするシーン・・・・
普通の流れだったらマックスの切なる願いが聞き届けられて、はいハッピーエンド♪ってなると思うのですが、クランプスも一筋縄ではいかないんですよね。
マックスの涙をながーい爪でなぞった瞬間は、「おっ!?」と希望を抱いてしまったのですが、そんな自分も一緒に絶望の淵へ落とされましたよ。
でも次の瞬間、マックスが目覚めるシーンに場面が切り替わります。ここで「やっぱりクランプスもまるっきりの悪い奴じゃなかったのか。ふふん。」なんて、完全に感情移入して期待に胸ふくらんでいた私。
でも、プレゼントの箱を開けるとクランプスの鈴が・・・
Nooooooooooooooo!!!!!
と、結局最後また落とされるハメに(のめり込み過ぎ)。
最後は、クランプスのスノードームのコレクションの数々が映し出されて終わり。他にもいっぱいある辺り、みんなクリスマス&サンタをナメてたんでしょうね。
つまり結末としては、彼らはみな「クランプスの支配する世界の住人」になってしまったと解釈しますが、果たして永遠にクリスマスが繰り返されるのかどうかは気になる所です。
それにしても、
ハッピーエンドじゃなくてよかった。
映画冒頭の人々が争う醜いブラックフライデー(米感謝祭後のセール)のシーンから始まっているのも、映画全体の伏線になっていて面白いです。アメリカでは本当、あのくらい戦場と化して毎年けが人出てますからね。(※こちら筆者のブラックフライデーの記事もどうぞ)
クリスマスを侮辱する、クリスマスの精神を忘れた人々の元へやってくるのがクランプス。でもクリスマスのみならず、普段からのあるべき姿を知らしめること、これもまたクランプスの役目なのかもしれません。
だからこそ、マックスがクランプスに最後の願いを伝えたところでアウトだったのでしょう。クリスマス前に取り繕ったところでもう遅いのだよ、と。それはマックスが手紙を破り捨てた瞬間から、もう彼らの運命はクランプスの手中へ。
「人間とは愚かな生き物よ・・・」これに尽きますね。そういう意味でも、こういうハッピーエンドでない戒め的な映画はいいかも、なんて思います。
©Shamelesspileofstuff
現に、上のダークエルフ(Dark Elves)のマスクが結構リアルに怖くて、「私も清い心で生きよう・・・」と思いました。私の感性からいうと、ちょっと本当にありそうな世界観なので、大人の自分にもイイ戒めになりましたね。はは
■ おわりに ■
以上、クリスマスにみんなで観たいホラー映画『KRAMPUS/クランプス』のあらすじ&感想でした。
そんなに期待しないで観た初回、予想以上に面白い映画でびっくりしたのを覚えています。
グロいのが苦手な方でも大丈夫、ホラー好きでも十分楽しめる、守備範囲の広めの映画なのでぜひ。
最後までお付き合いいただき、有難うございました。
See you!
You may also like・・・
・【米ブラックフライデー】店頭で争う人&オンラインで済ませる人
・エクソシスト超え!『IT/イット(2017)』あらすじ&キャスト
・米社会の闇をぶった斬る映画『Get Out』ネタバレなし感想
・【America’s Got Talent】幻の82歳に審査員も感動!?