【サンクスギビング】なぜ七面鳥を食し、何に感謝するの?〜起原を知ろう〜
みなさん、ごきげんよう。
Leecaです。
昨年は初めてのアメリカでのサンクスギビング(感謝祭)だったので、親戚・家族であつまってターキーやらを食べてから、セールへ直行しましたが、今年は主人のいとこの家でご馳走になった以外、のんび〜り過ごしております。
ところで、サンクスギビングはここ北米では盛大なお祝いイベントですが、そもそも「サンクスギビングって一体何の日〜?」「なんで七面鳥(ターキー)食べるの?」って疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
これらの疑問を解消するためにも今回は、『サンクスギビングのはじまり・起原』を探っていきたいと思います。あとはちょっと衝撃的なサンクスギビングの真実についてのお話なんかも。
Here we go!
< もくじ >
・サンクスギビングデーはいつ?
・サンクスギビングの起原(一般説)
・サンクスギビングデーの過ごし方は?
・ターキーにまつわる諸説
・サンクスギビングの「真実」
・おわりに
■ サンクスギビングデーはいつ? ■
アメリカでは毎年、11月の第4木曜日がサンクスギビングデーに定められており、その日は祝日(National Holiday)です。2017年は11月23日でした。
大体サンクスギビングの週は、木・金・土・日と4連休になる会社も多いようです。クリスマスよりもサンクスギビングに集まって、お祝いすることに重きを置いている家庭なんかもあるそう(もちろん親族のみならず友人たちとお祝いもあり)。
日本のお正月となんとなく感覚が似ているかもしれませんね。
事実、日本のお正月の帰省ラッシュ同様、交通機関は大渋滞。一年で一番混雑する期間といわれています。
ちなみにカナダでもサンクスギビングデーがありますが、ちょっと早い10月の第2月曜日に定められています。
余談になりますが、私もカナダ留学時にホストファミリーと一緒にご馳走を囲んでお祝いしました。彼らはフィリピン系だったので、カラオケ大会で大いに盛り上がりとても楽しかったのを覚えています(もう10年も前とは・・・)。
■ サンクスギビングの起原(一般説) ■
サンクスギビングの起原は、1620年代にまで遡ります。
1620年の冬、イギリスからアメリカへ渡ってきた人々がいました。
彼らの正体は、清教徒(ピューリタン/Puritan)。
とりわけ、イングランド国教会の“分離派”とよばれイギリス国内で弾圧された人々のことを指します。そんな彼らが宗教的自由(←諸説あるようですが一般論的に)をもとめてやってきたのがアメリカでした。
“ピルグリム・ファーザーズ(Pilgrim Fathers)”と呼ばれた彼ら清教徒一行は、メイフラワー号という船に乗って、現在のマサチューセッツ州プリマスに流れ着きました。
彼らの中には、厳しい冬の寒さの中、食べ物もなく餓死する者もいたとか。
そこで彼らに救いの手を差し伸べたのが、元々その土地に住んでいた“ワンパノアグ・インディアン(Wampanoag Indians)”と呼ばれる、アメリカ先住民の人々でした。
©XOAX.NET
先住民の人々は「困っている者には救いの手を」という高尚な精神を持っていたことから、食糧や寒さをしのぐための毛皮のジャケットのみならず、農作物(とうもろこしetc.)の種をわけ与えては農業/漁業の技術指導まで行ったそうです。
こうして、イギリス人の入植者らは危機を脱し、後年には豊富な収穫を手にすることができたのです。
そして入植の翌年1621年には、先住民の人々を招いてともに収穫を祝ったとされています。これが巷でいう『感謝祭(サンクスギビング)』の起原とされています。
◎豆知識
©FDR Presidential Library
【1933年11月30日七面鳥を切り分けるルーズベルト元大統領】
1789年、ワシントン大統領が「サンクスギビングデー」をアメリカの祝日に認定しますが定着はせず・・・・
時は流れ19世紀。リンカーン大統領が、1863年に改めて国民の祝日として宣言しました。
そして更に時はながれて1939年、ルーズベルト大統領がクリスマス商戦のためにサンクスギビングデーを前倒ししました。が!!結局現在の11月の第4木曜日にもどり、定着して現在に至っています。
■ サンクスギビングデーの過ごし方は? ■
前述のとおり、日本のお正月のように親戚・家族、友人らと大集合してご馳走を食べてゆっくりするのが一般的。
●ローストした七面鳥(ターキー)←丸焼き
●スタッフィング
●マッシュポテト
●コーン
●芽キャベツのオーブン焼き
●グレイビーソース
●クランベリーソース
●グリーンビーンズキャセロール
●パンプキンパイ
●スイートポテトマシュマロ
などが定番料理として挙げられます(家庭によって微妙に違う)。グレイビーソースやクランベリーソースは、七面鳥やマッシュポテトに添えて食べます。
さてと、お腹いっぱいご馳走を食べたらNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の試合観戦!!!とにかくアメフト大好きアメリカ人。試合も通常1試合のみのところ、サンクスギビングには特別に3試合行われるほど、人気の国民的スポーツです。
その後はのんび〜りするか、やはりショッピングでしょう。大々的なセールが行われ、一年で一番の商戦期。クリスマスプレゼントをここでゲット!なんて人も多いはず。
と、もはや宗教色もうすれ、家族や友人など大切な人たちと「感謝」して過ごす、これが現在のサンクスギビングの形です。
■ ターキーにまつわる諸説 ■
サンクスギビングには欠かせない、ロースト・ターキー。
このことからも、サンクスギビングデーは「Turkey Day 」とも呼ばれます。
しかし、何故ロースト・ターキーを食べるのでしょうか?
実は一つの明確な回答はないようで、理由にも諸説あるみたいですね。
①野生の七面鳥をくれたワンパノアグ族への感謝
新天地で生き残りの術を教えた心優しいワンパノアグ族の人々。彼らが飢えに苦しむ入植者たちに、野生の七面鳥を分け与えたことから、後にお祝いに欠かせないお肉になったという説。
感謝祭の起源とされる1621年の収穫祭に、“wild fowl(野鳥/家禽)”が食卓にあがったという記述が文献(A Journal of the Pilgrims at Plymouth)に残っているものの、なにも七面鳥という情報はないそうな。アヒルやガチョウだった可能性もありますね。
②先住民たちが手土産として持参
入植者らの「収穫祭」に招かれた先住民たちが、お祝いのために持っていった物が七面鳥だった、という説。なんでもアメリカ大陸の中央から東海岸にかけては、七面鳥がおおく生息していたそうです。
③サンクスギビングデーを祝日にするための材料?
1621年の秋に行われた、入植者たちによる野生の七面鳥狩りについて書かれた記録(Bradford Journal )があります。これが「サンクスギビングをアメリカ国民の祝日にしよう!」という人々たちから支持をうけたこと、七面鳥はおいしいという理由もあいまって、サンクスギビング=七面鳥という図式ができたという説も。
④七面鳥のサイズ
鶏肉(チキン)や牛肉にくらべ、丸ごとローストした七面鳥は家族全員の胃袋をカバーできる量があるから、という説。たしかに、切り分けてもすぐには食べきれない量です(淡白でパサパサしている故、グレイビーソースは超必須)。
■ サンクスギビングの「真実」■
一般的に語られているサンクスギビングの起源について、先にお話しました。
が・・・・!
実は学校でも語られないその起源=「真実」が存在しているとのこと。
◎Day of mourning /憂いの日
実はアメリカ先住民の血をもつ人々の中には、サンクスギビングデーを“Day of Mourning(憂いの日)”と呼ぶ人もいるようです。そう、彼らにとっては決して手放しに喜べる日ではなく、祖先への祈りを捧げる日なんですね。
そもそも学校で語り継がれているストーリーは、リンカーン元大統領が、南北戦争(The Civil War)を沈静化させる策として作り上げた「ハッピーな家族像」だったとか。
実の父・息子が南北にわかれて闘っていた当時、もう一度家族の絆を取り戻そう!というメッセージ性を持たせたのだと思われます。
それでは本当は何が起きたのか?
色々と情報を漁ってみると(※参照1/参照2)、どうやら入植者と先住民たちは「収穫を共に祝った」わけではなさそうです。
◆“平和と土地の交渉”のために入植者のもとを訪ねただけ。
◆入植者たちが銃弾を空中に放ち収穫をお祝いしていたとき、先住民の人々は「何事だ!?仲間の安否を確認せねば!」ということで、入植者たちを訪ね監視のために数日滞在した。
真実はさだかではないですが、私たちが抱く友好的&ハッピーなサンクスギビングのイメージとはまるで話が違いますね。
決して、先住民の人々は入植者たちのことを心から信頼していなかったとも言われています。
なぜならば、彼らがプリマスに到着する以前からヨーロッパからの奴隷商人たちに襲撃されたり、天然痘などを持ち込まれて免疫がなかった先住民の人々が大量に命を落としてしまったからとのこと。
それでも入植者たちを受け入れたのは、彼ら部族が受け継ぐ“精神性の高さ”があったからと言われています。助けが必要なものには手を差し伸べることが、彼らにとっては当たり前の行動だったのでしょう。
そして・・・・
©Welcome to Battlefields of King Philip’s War
そんな先住民の人々の厚意を踏みにじったとされる、入植者たち。
先住民ワンパノアグ族勢3千人に対し、入植者は増えに増えなんと4万人以上にまで達し、完全に両者の立場が逆転してしまいました。1675年までには両者の間の緊張感は相当なものにまで発展していたようです。
そして「キングフィリップ戦争」と呼ばれる戦までもが勃発。
イギリス人入植者たちが勝利をおさめ、残ったワンパのアグ族の人々も殺戮・奴隷として売られるという、悲しすぎる結末を迎えました。
■ おわりに ■
以上、サンクスギビングについてでした。
いかがでしたでしょうか?
またもや長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき有難うございます。
結びが悲しい「真実」の話になってしまいましたが、悲しくても事実としてうけとめたうえで・・・・
サンクスギビングは「感謝の日」として、身の回りのあらゆる物・人に感謝する日にしたいな〜と個人的には思いました。
まぁ、日々是感謝がいちばんですね♥
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