[2017年] アメリカズ・ゴット・タレント/失われた若き才能 〜魂の歌声〜

こんにちは!みなさんお元気ですか?
今日は『America’s Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)※AGT』についてのお話です。
2017年優勝者・ファイナリストたちの人生の歩みについては、こちらの記事にまとめました。
ところでみなさん、2017年当番組のオーディションに見事合格した後、非常に悲しいおはなしですが・・・命を失ってしまったある参加者についてご存知でしょうか?
“Brandon Rogers(ブランドン・ロジャース)”さんです。
死因は交通事故。亡くなったとき、ブランドンさんはまだ29才でした。
そのあまりにも唐突で早すぎる彼の死に、当番組のみならず世界中の人々は衝撃と深い悲しみに包まれました。私もリアルタイムで観ていて、非常にショックを受けたひとりです。
そこで番組は、ブランドンさんのご家族の要望もあり、彼のオーディション映像を放送することにしました。
瞬く間に彼の名は広まり、AGT公式サイトYouTubeでも750万回以上再生され、今でも再生数は増加中。
コメントは彼の死を悼む声で埋め尽くされています。私も彼の死に深い悲しみを感じているひとりです。
より多くの方に、彼の魂を揺さぶる歌声を聴いていただきたいので、今回は彼のオーディション映像をここでもシェアしたいと思います。
■ オーディション風景 ■
それでは、感動必至のパフォーマンスをご覧下さい。
みなさん、どうでしたか・・・・??
って、私はこれを書いている今この瞬間にも涙が・・・・
何度みても、毎回感動でうるうるしてしまいます。基本涙腺が壊れている私なので涙なしでは見ることは不可能。
ブランドンさんは喋り声からしてとても良い声をしているのが分かりますね。そして女性陣ジャッジも言ってますが、とっても美男子。会場の期待が高まるのを画面越しからも感じとれました。
そして歌い出しの「This is nooooot a coincidence..♪」の時点で・・・・鳥肌ぶわぁ〜〜〜〜っ。
歌はスティーヴィー・ワンダーの『リボン・イン・ザ・スカイ(Ribbon in the sky)』。これも名曲ですね〜!!
彼の透き通る美声に、もう全神経をもっていかれました。
途中ジャッジのハウイー(Howie)の笑顔が映りますが、私もうんうん分かる分かる!そら笑顔になるわ〜!と思いました。
ブランドンさんの歌声の何がすごいって、その歌唱力(テクニック)も去ることながら、彼の人柄の良さがにじみ出しているところ。
何様って感じなのであまり言いたくはないのですが、事実として、歌い手によっては歌がいくら上手でも全く心に響いてこないこともあると思うんです。
感情が理屈に勝るとでもいいますか・・・・ブランドンさんの場合は、どちらも兼ね備えたまさに貴重な存在だと思います。ものすごい才能だなって思います。
そんな彼の歌声を生で聴いてみたかったのに、それはもう叶わない。そう思うと心から悲しいです。
それでも、彼の歌声を聴くことができて感謝。だからずっと聴き続けます。
人生、何が起こるか本当に分からないもの。
だからこそ命の限り、自分のできること・好きなことに正直になりたいな、とこのブランドンさんのストーリーを通して思う私なのでした。
※英語でみんな何を話しているのか分からなかった・・・・という方のために、以下でざっくりと内容を解説してみますね。完全翻訳ではないので、流れをつかむ意味でご参考にしていただければと思います。(聞き間違いがあったらすみません)
■ ざっくりムービー内容解説 ■
①まず、初めにお母さんとの電話で話す場面からスタート。
「Hello, my mother. I think I’m going on in a little bit. I’m nervous. We shall see.」⇒「もうすぐ出番で緊張しているよ。どうなるかな?」と胸の内を語っています。
②司会のタイラ(Tyra)から名前・出身地・職業を質問をうけ、ブランドンさんはバージニア州ポーツマス出身のホームドクターと答えています。
③彼が医師になるきっかけとなった出来事について話しています。
「My inspiration for becoming a doctor was kind of born out of a pretty tough experience when I was 6 years old. I came from school one day, and I found my mom laying down in a pool of blood. We rushed her to the hospital. The doctors were like heroes. They saved her life, and it made me want to be the doctor that I am today.」
⇒彼が医師になるきっかけとなったのが、6才のときの辛い体験。ある日学校から帰宅すると、お母さんが血の海に倒れているのを見つけたブランドンさん。お母さんはすぐに病院へ搬送されます。その時お母さんの命を救ってくれた医師たちは、ブランドンさんにとってヒーローでした。
④そうして医師になったブランドンさん。
「I felt like I’m in a field where I can actualy make a difference.」⇒ 実際に世界を変えることができる分野にいると思っている、と自身の職業について前向きに語っています。素敵ですね・・・
⑤「And there can be really tough days some times, too. My way to cope with the stress has always been music.」⇒もちろん、困難に直面することも。でもそんな時のストレス対処法は、いつも“音楽”だったそうです。
⑥「I’m about to sing in front of all of America. I can’t even believe I’m here right now. This is…ah~」⇒彼は自分でもアメリカ全土の人々(全米)の前で歌うなんて信じられないと話しています。とっても緊張している様子がこちらまで伝わってきますね。
⑦「My patients, they are so supportive and excited. If I can find a way to combine being a doctor and medicine with music and singing, that would be a dream come true.」
⇒彼の患者さんはとても応援してくれていて、楽しみにしていたようです。ブランドンさんも、「医療と音楽の両立の道をみつけられたら、それは夢のようだ」と話しています。
⑧そうして遂にオーディション本番。
ジャッジのサイモン(Simon)が彼に出身地・職業の質問をします。
「I am a doctor, actually.(医師です)」と答えると同時にOHHH!と沸く観客、そしてサイモンも「Really? Fantastic!(本当に?)すばらしいね!」と感心しています。
つづくサイモンからの「How old are you?(いくつ?)」という質問に、「I’m 29 years old.(29才です)」と答える彼。先の司会タイラ同様、なんの医師か専門分野の質問も。
「What are you gonna be doing here today?(今日は何を披露してくれるの?)」とサイモン。「I’m singing.(歌です)」とブランドンさんが答えると、きゃ〜〜〜〜と観客(特に女性陣?)から歓声が。女性ジャッジの一人メルビー(Mel B)も思わず「I knew it!」と反応。ブランドンさん、本当に良い声してますもんね。
サイモンの質問が続きます。「Do your patients know you are here?(患者さんは君がここにいることを知っているの?)」
「People I work with do. Some of my patients…(一緒に働いている人たちは知っています。患者さんの何人かも・・・)」とブランドンさん。
「Do you ever sing to them?(彼らに歌ったりするの?)」「I do.(しますよ)」の後、メルビーが今度は「WOW!!! 」とリアクション。メルビーはまるで女性陣の気持ちを代弁してくれているようで、笑いにつつまれる会場。
「I don’t (think) we’ve ever had a doctor actually on any of our shows.(ドクターはこれまで出た事なかったと思うな。)」とサイモン。「I’ll be the first. I’ll take it.(それじゃ僕が最初ですね。)」とブランドンさんも少し緊張がほぐれた様子。
Good luck!というサイモンからのかけ声とともに、いよいよブランドンさんの歌が披露されます。
ー スタンディングオベーション ー
⑨ジャッジ一人ずつコメントを述べていきます。
●ハイディ(Heidi)「The doctor is really handsome, and the doctor can sing! I really enjoyed that! There’s something so special about your voice. It’s working for me.」
⇒医師でとってもハンサムで歌まで歌えるなんて、と大絶賛。ブランドンさんの声に何か特別なものを感じると話しています。
●メルビー(Mel B)「You’re good-looking. Tick You can sing. Tick
And the fact you help people. Tick
I think you are great!」
⇒メルビーもまた、ブランドンさんは容姿もよくて歌も歌えて、そして医師として人助けしているから素晴らしい!とベタ褒めしています。女性陣メロメロ。(わかる〜♥)Tickはみたとおり、項目にチェックを入れる表現。
●ハウイー(Howie)「You have real control and passion, and you can be a star. You spent so much time going down the medical road. I think it was a waste of time in schooling ‘cus you should be a singer. But it’s good to have something fallback on I guess.」
⇒ハウイーもベタ褒めなのはいいのですが・・・・「君は歌手になるべきだから、医療の道に時間をつぎ込みすぎたんじゃない?ちょっと時間の無駄だったと思うよ。でも万が一のために備えておくのはいいことだよね。」とハウイー節を炸裂。いつも面白いハウイー。個人的に大好きなジャッジです。
●サイモン(Simon)「You got a point. Your vocal is stunning. STUNNING! Actually I wanna say something I’ve never said before to a doctor; Your are SICK. Really sick. You are one of the best singers we’ve had in the competition so far. I’ve gotta tell you.」
⇒ハウイーに続いてサイモンまでも冗談(ダジャレ)をかましています。最初は普通に、STUNNING!(すばらしい!見事)と絶賛なサイモン。そしてダジャレの部分がこれ。
「医師に言ったことがないことを言いたいんだけど・・・君は病気(すばらしい・最高)だ。」学校英語で習う形容詞SICKは「病気の・病んでいる」という意味ですが、スラングとしてのSICKはcoolやawesomeと似た意味で使われます。若者が使うイメージ。アメリカ人の友達でも多用している人がいましたけど、わたしの周りではあんまり聞かないですね・・・年齢層も関係あるんでしょうね。はは….は…(切ない)
⑩そして、「Yes for me! 」と全員一致のYES4つを獲得したブランドンさんは、ステージを後にします。「He’s a very nice guy. You can tell that. I like his voice. It’s incredible」とサイモンも大絶賛。
出典:BBC
⑪両親に電話で結果を報告するブランドンさん。
「Mom? Are you with dad? I have some good news! I made it~ I made it~I made it~!! I love you,too」
電話にでたお母さんに、お父さんもいる?と尋ねるブランドンさん。両親そろったところでブランドンさんは「いいニュースがあるよ。俺やったよ〜!(合格できたよ)」と嬉しそうに語っています。
ご両親と一緒に喜ぶ彼の姿で、映像は終了です。
■ おわりに ■
いかがでしたでしょうか。
ブランドンさんに起こった悲劇は、彼と直接的な接点のない私にとっても心を痛めずにはいられません。
彼の素晴らしい歌声を聴いて、心がほんわか癒される気持ちになる人は沢山いることでしょう。
少しでも多くの方とこの感動を共有できたら、という想いでこの記事をまとめてみました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Thank you so much and see you!
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