ケーキにお菓子、なぜアメリカ人はカラフルな食べ物を好むのか?【真面目に考えた】
こんにちは、Leecaです。
アメリカに来てまず一番驚いたことといえば、やはり食べ物がとにかくカラフルということ。
とある誕生会にお呼ばれしたときに、あざやかな赤・青・黄色・みどりといったレインボーカラーのカップケーキを見て衝撃のあまり、「あ、あれって食用?」と主人に訊いてしまった無礼者は私です。
美味しそうに食べる子供たち。そして大人も。
そしてそれをみて疑問を抱かずにはいられない私。
「なぜアメリカではカラフルなケーキ(食べ物)が好まれる傾向にあるのか?」
超甘党のアメリカ人の主人に訊いても、「あんまりカラフルだと甘過ぎるイメージがあるから流石に嫌かな〜」という、いや答えになっていないよという回答しかもらえず・・・
そんなこんなで、自分で調べつつ考えをまとめてみることにしました。
私と同じ疑問を抱いている方の参考になれば嬉しいです。
■ まずは、歴史をひも解いてみよう ■
*Source: Harvard Business School
◎古代から食べ物への着色は行われていた
世界の様々な文化において、食べ物などへの着色は自然に行われてきたそうです。その歴史は古代エジプトにも遡るということからも、そのフードカラーリングの歴史の長さがうかがえます。
特にサフラン、インディゴ、コチニール(エンジムシと呼ばれる虫)に由来する、いわゆる自然着色が主流だったようです。サフランは現代でもとても高価ですが、昔は金(ゴールド)より価値あるものであったとか!
コチニール由来の赤色の染料はアートでの需要が高く、他にも色づけされた食べ物はヨーロッパの貴族や上流階級の人々の間でとても人気があったようです。(前後しますが、アステカやインカ帝国でもコチニールが染料としてよく使用されていたとのこと)
以上のことからも、着色というのは世界各地で人々の生活と結びついた、長〜い歴史があることが分かります。
◎アメリカという国の発展
アメリカの建国は1776年7月4日(独立記念日)。
イギリスで産業革命が起こったのが18世紀後半〜19世紀前半で、アメリカもその影響を大きく受けました。
まだ歴史の浅かったアメリカでしたが、1869年に大陸横断鉄道が敷かれどんどん工業化が進むことに。このインフラ強化によって、ひろーいアメリカ国内を食料品が行き来することが可能になり、チェーンの食料品店もできはじめます。
この頃、ドイツでは合成着色料製造が発展。
1870〜1910年代のドイツは合成着色料のパイオニアとして世界を牽引していました。
そしてまたアメリカに話を戻します。
アメリカに点在するスーパーに食品を並べるにあたって必須条件となったのが、「食べ物の変色を防ぐこと」。(日)光にも強く、少量で色づけが可能な合成着色料は“経済的”として、食料製造業者がこれに飛びつきます。
この背景には、食料製造者に合成着色料の使用をうながした着色料製造会社の存在がありました。それが、「H. Kohnstamm & Company」と「the Schoellkopf, Hartford & Hanna Company」の2社。彼らが先駆者となって、アメリカ食品産業における合成着色料の使用の拡大はますます勢いをつけていきます。
また、1920年代までの間に、加工食品も人々の食卓に浸透していったことを忘れてはなりません。加工食品と合成着色料はもはやセット、切り離せない関係ですので、あらゆる食べ物に合成着色料が使われるようになりました。たとえばソーセージやバター、缶のトマトやグリーンピースなどが挙げられます。
みるからに奇抜な色合い以外にも、合成着色料は“自然”で“新鮮”な色合いをだすためにも使われるようになり、さらに広まっていきます。これによって経済的・安定的に食べ物を大量生産・提供することが可能になったというわけです。
そして1930年代までにはアメリカ食産業において合成着色が一般的に・・・・現に“Jell-O” で有名なKraft社も1930年代初期には商品の着色を自然由来から合成のものへと移行しました。
こういった製造コスト削減のみならず、ブランドらしさを体現する商品をつくるためにも合成着色料が使用されたようです。例えば、M&Mのあのカラフルなチョコレートとか・・・(見た目のインパクトで消費者をつる作戦か)
◎つまりは・・・
上記のことから「なぜアメリカ人はカラフルなものを好む傾向にあるのか?」に対する私なりの思考回路は以下の通りです。
商業的に煽動されたアメリカの消費者たちが増加 ⇒ カラフルな食べ物が日常化 ⇒ 色彩感覚・味覚ともに着色料で色づけされたものが基準となる ⇒ カラフルLOVE♥
とりあえず「三つ子の魂百まで」というように、小さいころの食習慣が与える影響はやはり大きい!私の主人も、小さい頃から甘いもの食べて育ったんだろうな〜というのが丸わかり。糖分とりすぎだなと心配になって注意するも、なかなか改善されず・・・って気づけば私もツラれて食べてるという。(味覚が変わってきたような・・・)
そういえば、ドイツが合成着色料の先駆者だったというなら欧州もアメリカと同じなんじゃないの?って思ったのですが、どうやら欧州の方もアメリカのビビッドな色遣いには驚く人が多いそうです。
現にフランス人の友人がいるのですが、私と同じくアメリカのカラフルな食べ物には衝撃をうけたと話していました。
ヨーロッパの場合、長い歴史のなかで織物市場などが発展していたため、着色料どうのこうのの前に人々の色彩感覚(色の好みの傾向)もすでに出来上がっていたのかもしれません。対してアメリカの歴史は浅く、人々の色彩などの好みも食品産業の影響をうけて形成されていったのだと思います。
■ 他に考えられる理由 ■
というものの、何となくしっくり来ないのはなぜでしょう。
確かに、食べ物に限らず服なんかもアメリカの方は原色を好む人が多い印象をうけます。ただ、アメリカ以外にも南米とかアフリカとか、あとは東南アジアも原色の色遣いが多い気がするのはなんなんでしょう。
気候(湿度)とかも関係あるのでしょうか。そんな気がしてなりません。
もし日本人が元々ここカリフォルニアに住んでいたとしても、この土地で日本のような“侘び寂び”文化が形成されるとは考えにくいのです。なんとも例えがたい日本的色彩感覚も、ここに住んでると育まれにくいような。
水墨画とか、ぼやっとした色合いの筆遣いって日本独特ですよね。四季がはっきりしていて、自然界がおりなす色合いにも違いがあるから、こういった色彩感覚の違いが生まれるのでしょうか。(※この記事で日米の色の名前やイメージについて話しています)
ん〜〜!
考えると面白いんですけど、これと断定できません。
アメリカはご存知の通り、ネイティブアメリカンと欧州からの移民、奴隷として連れてこられたアフリカ系の人、それから隣国の移民等からつくられた国。様々な色彩感覚が融合した結果、あのレインボーカラーのケーキができあがったのかもしれませんね。
うーん、奥が深い。(そしてまとまらない)
■ ま と め ■
以上、私Leecaなりの考察でした。
移民で成り立つ国だけあって、理由も色々考えられそうです。
今回のお題について考えているときに、切ない過去を想い出しました。
カナダ人とオーストラリア人の友人(どちらも異性です)から、「ってかLeecaてさ〜若いのに、なんかファッションはおばあちゃんみたいだよな」と言われたことがあります。
おいおい。それじゃぁお前は世界的有名デザイナーか何かなのかい?という心の声は胸にそっとしまい、具体的に何がいけないのか気になったので訊いてみることに。
「え・・・・?なんで?この緑(詳しくは“若葉色”)の服おかしい?」
と聞き返すと、「うん、その色はないわ〜!」って二人して全否定。
そりゃ〜ちょっとイラっとしたんですけど、二人とも良い奴だしなとその場は目をつぶりました。
しかし、ほんのちょっぴり切ない気持ちになったのは事実。(←まぁまぁ気にしてる)
自分はファッションセンスが良いなんてこれっぽっちも思いませんが、そんなに悪いとも思っていません。
まずシンプル好きなので、思わずみなが振り返るような目立つ失敗をする余地はない・・・(そうだ自信が大事だ)
・・・ハズ・・・。(がんばれ)
ということで、今思えば二人をそう言わしめた要因はあの“若葉色”のセーターだったのかもしれません。好きなんです、平安時代で流行りました、みたいな渋い&淡い色が。
「ふっ。この色彩感覚が分からないなんて・・・」
と思えたらいいのですが。
たしかに同年代の友人たちは淡いといってもピンクなど、華やかな色を上手に着こなしていらっしゃる。
もしかしたら私は日本どころか、現代にそぐわない色彩感覚を備えているのかもしれません。
おしまいー。(切なさ極まる)
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