笑いすぎて涙!最低映画『トロル2/悪魔の森』が最高
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みなさん、こんにちは。
前回、史上最低の恋愛映画『ザ・ルーム 』についてご紹介しましたが、
今回は史上最低のホラーコメディ映画『トロル2/悪魔の森(原題:Troll2)』をご紹介したいと思います。あのカラフルで可愛い、人気映画ではないので悪しからず。
本作はあらゆる点において酷すぎて、逆にそれがウケてカルト化した映画。筆者も大好きな作品です。
どういう訳か、こういうクダラナイ映画に惹かれてしまう性分で・・・
今日は、一人でも多くの人に興味を持っていただけるように、心より願いを込めて書かせて頂きます。
■ ざっくり、あらすじ ■
・脚本/監督:クラウディオ・フラガッソ
・ジャンル:ホラー コメディ
・製作国:アメリカ
・公開:1990年10月12日
・上映時間:95分
・出演:マイケル・ステファンソン、ジョージ・ハーディ、マーゴ・プリー、コニー・ヤング他
ウェイツ一家の主であるマイケル(ジョージ・ハーディ)は長年、農家になることに強い憧れを抱いていた。
そこで彼は、ホームエクスチェンジを利用して、一家全員で「Nilbog」という農村に滞在する計画を立てる。
「Nilbog」への出発前夜、マイケルの息子ジョシュア(マイケル・ステファンソン)はある奇妙な夢にうなされていた。それは亡くなった祖父セス(ロバート・オームズビー)からの、一家への忠告であった。
その内容は、「ゴブリン(小鬼)たちがウェイツ一家を食べてしまう」というものだった。しかもゴブリンたちはベジタリアンゆえ、毒入りの飲食物をもって人を植物に変容させてから食べるのだという。
翌朝ー。
恐怖と不安を抱えたままのジョシュアであったが、父マイケルと母ダイアナ(マーゴ・プリー)、そして姉のホリー(コニー・ヤング)と例の農村「Nilbog」へと車で向かう。ホリーの彼氏エリオット(ジェイソン・ライト)も、四六時中一緒にいる男友達をつれて彼女の後を追う。
「Nilbog」へ到着した一家。
ジョシュアは滞在先の家でも、祖父セスからの忠告を度々受けることに。しかし、誰もジョシュアの発言に聞く耳をもたないため、どうやって一家を救うべきか頭を抱えている。
やがてゴブリンが一家の前にも姿を現し・・・
■ お気に入りシーンを列挙 ■
この映画・・・
たしかに演技は下手だし(素人役者)、不自然な英語のセリフが多いし、そもそもタイトルが『Troll2 』なのにゴブリンばっかで肝心のトロル(トロール)はどこやねん!って感じで、色々と酷いことは酷いです。しかも2と称していますが、シリーズという訳でもない。農村の「Nilbog」だって、ただ「Goblin(ゴブリン)」を逆さにしただけの単純なネーミングです。
でも正直、世間で言われるほど酷くはない って思うんですよね。いや、酷いんすけど。でもただ酷いだけでは、ここまで熱狂的なファンを抱えるカルト映画になることはなかったはず。
少しでも面白さが伝わることを願い、ここで筆者お気に入りのシーンを一挙ご紹介します♡ネタバレありです。
《これぞ80’sのアメリカの若者。鏡の前で突如踊り出すホリー》
《からの、謎の逆さメガネ》
キレッキレです。懐かしい絵柄のTシャツにもつい目がいきます。
《セスおじいちゃんが、鏡に現れるシーン》
このシーンでは、おじいちゃんが間違ってホリーの部屋に現れてしまうんですね。本当はジョシュアに用があったのに。それを知ったジョシュアがホリーの部屋に行って、おじいちゃんを鏡のまえで呼び出します。すると「まだこの家の間取りが掴めておらんのじゃ」的な言い訳を語りだすわけです。二人のやりとりが何ともシュールで、私は涙流して笑いました(見ないと伝わらないであろうことが悲しい)。
そしてこちらは、あまりにも有名なシーンなので動画でどうぞ。
この男性は、ホリーの彼氏の男友達の一人アーノルドです。この棒読みすぎるOH MY GOOOOOOOOOOOOOOOD!は、ファンの間ではあまりにも有名な一節。しかも彼の額にはハエがとまっているのが見えますか?いやぁ、もってるわ〜。
《やがて植物人間にされるアーノルド》
でも彼は「OH MY GOD」の叫びの後で、しっかり植物人間にされてしまいました。OH MY GOOOOOOOOOD! (←これは視聴者の気持ち) そんな彼を助けようと鉢植えを引っ張る、男友達のドリュー。って、もっと頑張らんかい!の前にもっといい方法ないんかい!でもそんな彼を許してあげてほしい。なぜならこの時すでに、ドリューさえも毒におかされていたのだから・・・・
《ゴブリンを取り纏める魔女?クリーデンス》
この謎の魔女と思しき女が、アーノルドたちを植物人間にした張本人。後に魔力をもってお色気ぷんぷんに変身し、他の男友達を誘惑するんですが・・・誘惑の材料として使うのがなんと、トウモロコシ。ベジタリアンなんでね。
《ガーターベルトとコーンの組み合わせは世界初か》
なんとまぁ、ぶっとんだ脚本です。クリーデンス役を務めたデボラ・リード、なかなか綺麗だしナイスボディなので案外耐えられる映像になっているのが救い。
と、こんなところでしょうか(まだあるんですけどね)。
正直もっと内容的に酷いB級映画なんかは、世の中にゴマンとあると思います。
ただこの映画は、B級通り越してZ級の仕上がりになっています。つまり酷さがウリになっているんですね。これは人の感情を揺さぶる何かがあるってこと(としておきましょう)。本当の意味で酷い映画は、「ふ〜ん・・・で?」という感じで、観る者に感情の起伏を与えないものだと思っています。笑えもしないってやつです。
いやぁね、本当にくだらないんですよ。
(上の例でお分かりいただけたかと・・・)
でも、気づけばケタケタ笑っている自分がいるんです。とてつもなくハッピーになれる映画です。
この面白さにハマれば、何度みてもハッピーになれること請け合い。私自身、余程気に入った映画でなければ見返したりすることはないのですが、この映画はなぜか見返したくなるんですよね。そういう意味でも「うまいことぶっ飛んだ映画」は貴重だし最強だと思います。
《こちら頭の中が気になる人物=監督》
この映画の監督自体がまずぶっ飛んでるんですけどね。
彼はイタリア人なんですけど、英語が全く話せなかったのに全編英語の映画をアメリカで撮ろうと決心。イタリア人の奥さんに脚本の翻訳を任せたものの、仕上がりはおかしな英語のオンパレード。監督自身も英語が話せないもんだから、出演者たちとのコミュニケーションも細かいところまで出来ず。そこが肝だろうに・・・
英語ネイティヴの出演者たちが、自然な英語のセリフや流れを指摘したところで監督は聞く耳をもたず。自分の中に、他人に左右されない確固たる「ヴィジョン」を持っていたそうな。
この映画にヴィジョンですか・・・・な、なるほど・・・。
■ おわりに ■
こんな感じで愛をもってディスりたくなる映画、それが『トロール2/悪魔の森 』です。
いかがでしたか?
未見の方で少しでも興味が沸いた方、お暇つぶしにでもどうぞ。はじめから肩の力を抜いて、気軽にみてみてください。きっと、新しい世界がみえるはず(あ、怖いですか)。
ちなみに、この映画のドキュメンタリー映画『Best Worst Movie 』も2009年に公開されています。メガホンをとったのは、なんと主役ジョシュアを演じたマイケル・ステファンソン。すっかり大人になっています。
この映画は高評価ですよ、みなさん!私も観ましたが、かなり面白いです。『トロール2/悪魔の森 』を鑑賞してみて、好きだったら手にとっていただきたい作品。かつての役者たちのリアルな(かなり切ない)現在が描かれていて◎。
メインは、父親マイケル役のジョージ・ハーディですが、母親役のマーゴ・プリーや祖父役のロバート・オームズビー、あとは強烈な印象を残した謎の村人(↓)も登場します。
という感じで、ここまでにしておきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
See you!
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